測量士補 過去問
令和7年度(2025年)
問12

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問題

測量士補試験 令和7年度(2025年) 問12 (訂正依頼・報告はこちら)

公共測量により、水準点Aから水準点Bまでの間で1級水準測量を実施し、表12に示す結果を得た。標尺補正を行った後の水準点A、B間の高低差は幾らか。最も近いものを次の選択肢から選べ。
ただし、観測に使用した標尺の標尺改正数は20°Cにおいて−6.2μm/m、膨張係数は+0.6✕10−6/°Cとする。
なお、関数の値が必要な場合は、関数表を使用すること。

表12
路線方向  A→B
観測距離  1.80km
観測高低差  +20.0000m
気温  22°C
  • +19.9996m
  • +19.9999m
  • +20.0000m
  • +20.0001m
  • +20.0003m

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この過去問の解説 (2件)

01

標尺は温度や材質の影響で「少し伸び縮み」するので、その分を計算で直す必要があります。

標尺補正量 ΔCは、ΔC={C0+(T−T0)×α}×ΔHです。

 

C0 :基準温度における標尺改正数(m/m)

T :観測時の温度(℃)

T0 :基準温度(℃)

α:標尺の膨張係数(1/℃)

ΔH:観測高低差

 

今回与えられた条件は以下です。

C0 = −6.2 × 10⁻⁶ m/m

T = 22℃

T0 = 20℃

α = 0.6 × 10⁻⁶ /℃

ΔH=20.0000m(観測高低差の大きさ)

 

まず温度差を出します

T-T0=22-20=2

 

次に補正率を計算します

C0+α(T−T0)=−6.2×10⁻⁶ + 0.6 × 10⁻⁶×2=−5.0×10⁻⁶ 

 

標尺補正量は

ΔC=−5.0×10−6×20.0000=−0.0001m

 

これを高低差(観測値20.0000m)に反映します

20.0000+(−0.0001)=19.9999

 

となります。

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02

以下、解答です。

選択肢1. +19.9996m

不正答です。

選択肢2. +19.9999m

正答です。

選択肢3. +20.0000m

不正答です。

選択肢4. +20.0001m

不正答です。

選択肢5. +20.0003m

不正答です。

まとめ

・標尺補正計算式

標尺補正量 ΔCは、ΔC={C0+(T−T0)×α}×ΔHです。

ただし、

C0 :基準温度における標尺改正数(m/m)

T :観測時の温度(℃)

T0 :基準温度(℃)

α:標尺の膨張係数(1/℃)

ΔH:観測高低差

 

・標尺長さに対する補正率の計算

単位を以下のように統一します。

標尺改正数C0=−6.2×10−6 m/m

温度差 T−T0=22−20=2

膨張係数 α=0.6×10−6 /℃

観測高低差ΔH=20.0000m

 

・補正率の計算

C0+α(T−T0)=−6.2×10−6+0.6×10−6×2=−5.0×10−6

 

・標尺補正量

ΔC=−5.0×10−6×20.0000=−0.0001m

 

・観測高低差補正

観測高低差は+20.0000m

補正は縮む方向なので、観測値に対し、

20.0000+ΔC=20.0000−0.0001=19.9999 m

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