測量士補 過去問
令和7年度(2025年)
問2
問題文
a. A県が発注した基準点測量において、B市が所有する土地に永久標識を設置するに当たり、B市から建標承諾書により承諾を得て作業を実施した。
b. C市が発注する水準測量において、使用する道路が全てC市の市道であったため、道路使用許可申請を省略して作業を実施した。
c. 局地的な大雨などの災害や事故に備え、現地作業において気象情報に注意するとともにハザードマップを携行した。
d. 測量計画機関から貸与された資料の中に個人を特定できる情報が含まれていたことから、当該資料にアクセスできる作業者を制限するなど、厳重な情報管理を行った。
e. 水準測量における新設点の観測を速やかに行うため、永久標識設置から観測までの工程を同日中に行った。
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問題
測量士補試験 令和7年度(2025年) 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
a. A県が発注した基準点測量において、B市が所有する土地に永久標識を設置するに当たり、B市から建標承諾書により承諾を得て作業を実施した。
b. C市が発注する水準測量において、使用する道路が全てC市の市道であったため、道路使用許可申請を省略して作業を実施した。
c. 局地的な大雨などの災害や事故に備え、現地作業において気象情報に注意するとともにハザードマップを携行した。
d. 測量計画機関から貸与された資料の中に個人を特定できる情報が含まれていたことから、当該資料にアクセスできる作業者を制限するなど、厳重な情報管理を行った。
e. 水準測量における新設点の観測を速やかに行うため、永久標識設置から観測までの工程を同日中に行った。
- a、b
- a、c
- b、e
- c、d
- d、e
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、公共測量における測量作業機関の対応について正誤判断するものです。間違っている部分には×を、正しい部分には〇をつけて一つずつ整理するとわかりやすいです。
a A県が発注した基準点測量において、B市が所有する土地に永久標識を設置するに当たり、B市から建標承諾書により承諾を得て作業を実施した。
これは正しい対応です。公共測量で土地に標識(特に永久標識)を設置する場合は、その土地の所有者や管理者から事前に承諾を得る必要があります。今回はB市が所有している土地なので、B市から建標承諾書で正式に許可をもらっているのは、正しい手続きです。
b C市が発注する水準測量において、使用する道路が全てC市の市道であったため、道路使用許可申請を省略して作業を実施した。
これは誤りです。たとえ市道であっても、道路で測量作業をする場合は道路管理者の許可(道路使用許可)が必要になります。C市が道路を管理していても、測量作業は「占用行為」に当たるので、必ず申請をして許可を得るのが原則です。勝手に省略してはいけません。必ず申請しましょう。
aは正しい
c 局地的な大雨などの災害や事故に備え、現地作業において気象情報に注意するとともにハザードマップを携行した。
これは正しいです。測量作業では屋外や山、河川での作業で安全管理が非常に大事なので、気象情報に注意を払ったり、ハザードマップを持って災害リスクに備えるのことは大切です。
bは誤り
e 水準測量における新設点の観測を速やかに行うため、永久標識設置から観測までの工程を同日中に行った。
これは誤りです。永久標識は長期にわたり位置を保持すなくてはいけないため、しっかりと固定されるまでにある程度の時間を要します。通常は設置してからある程度時間をおいて観測を行います。同じ日にすぐ観測してしまうと、標識が不安定だったりして正確な測量ができない可能性があります。
cは正しい
d 測量計画機関から貸与された資料の中に個人を特定できる情報が含まれていたことから、当該資料にアクセスできる作業者を制限するなど、厳重な情報管理を行った。
これは正しいです。測量の中には個人情報やプライバシーに関わる情報が含まれる場合があります。そのような情報を扱うときは、アクセス、閲覧できる人を限定するなど情報漏えいを防ぐためにも重要です。
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02
以下、解答です。
不正答です。
不正答です。
正答です。
不正答です。
不正答です。
・a
公共測量で他人が所有する土地に永久標識等を設置する場合、所有者や管理者(この場合B市)の承諾(建標承諾書)が必要です。
・b
道路が市道であっても、交通の妨害となる行為を伴う測量作業を行う場合は道路使用許可が必要です。
「自市管理の市道なら道路使用許可は不要」というのは誤った考えですので間違いです。
・c
安全作業のため現地気象情報への注意やハザードマップ携行は推奨されているので、正しいです。
・d
個人情報保護法や測量成果に関するガイドラインより、個人情報を含む資料の管理は厳重に行うべきなので、正しいです。
・e
水準測量の新設点(特に永久標識)の観測は、設置直後は沈下する可能性などがあるため、
設置から24時間以上経過した後で観測を行うことが公共測量作業規程の準則で定められています。
よって、同日中は間違いです。
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03
主に準則を用いて問題をといていきます。
a. A県が発注した基準点測量において、B市が所有する土地に永久標識を設置するに当たり、B市から建標承諾書により承諾を得て作業を実施した。
作業規程の準則第29条 計画機関が所有権又は管理権を有する土地以外の土地に永久標識を設置しようとするときは、当該土地の所有者又は管理者から建標承諾書等により承諾を得なければならない。
B市が所有している土地なので、「所有権又は管理権を有する土地以外の土地に」該当するのでaは正しい選択肢です。
b. C市が発注する水準測量において、使用する道路が全てC市の市道であったため、道路使用許可申請を省略して作業を実施した。
道路法や道交法の規定からして、道路使用許可申請を省略していけません(道路交通法77条、道路法32条、道路法施行規則参照)。
bは間違いです。
aは正しい。
c. 局地的な大雨などの災害や事故に備え、現地作業において気象情報に注意するとともにハザードマップを携行した。
作業規程の第10条参照。正しいです。
bは間違いです。
e. 水準測量における新設点の観測を速やかに行うため、永久標識設置から観測までの工程を同日中に行った。
準則64条参照、間違いです。
cは正しいです。
d. 測量計画機関から貸与された資料の中に個人を特定できる情報が含まれていたことから、当該資料にアクセスできる作業者を制限するなど、厳重な情報管理を行った。
作業規程の準則第4条 計画機関、作業機関及び作業者は、作業の実施に当たり、財産権、労働、安全、交通、土地利用規制、環境保全、個人情報の保護等に関する法令を遵守し、かつ、これらに関する社会的慣行を尊重しなければならない。
準則にもあるように、dは正しい選択肢です。
dは正しいです。
eは正しいです。
測量法のみならず、作業規程の準則もよく読んでおきましょう。
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